どうでもいいことを考えよう(コインの形)

この間、古いスロットマシンを復元する動画を見た。サビサビの中古品を分解して磨いて塗装して綺麗にするアレである。

スロットマシンということで、当然その中にはコインを吐き出す機構が搭載されている。細長い金属製のレール。その中をコインがスルスルと転がっていく仕組みだ。

それを見て私は思った。「この機構はコインが丸い形をしているから成り立つのだ」と。別にスロットマシンに限った話では無い。古今東西、コインを使うあらゆる機械には丸いコインを運ぶためのレールがあり、我々は当たり前のように丸いコインを走らせるのだ。

 

想像してみよう。もし日本の硬貨が…例えば三角形だとしたら。きっと日本中のコイン投入口が詰まりまくるだろう。不調時の坂倉将吾の打球並にどん詰まりだろう。

どうやらコインが丸いという事実は現代を生きる我々にとって大変に都合の良いことらしい。実際、大体の国家で発行される貨幣は綺麗な丸型なのだろう。

コインが丸いからこそ、

我々は自動販売機でコーラを買うことができ、

ガチャガチャの中身に一喜一憂することができ、

ジャグラーをドゥッドゥルドゥッドゥッドゥ♫することが出来る。

 

では自動販売機もガチャガチャもマルハンも無い昔昔の世界において、コインが円形である必要はあるのだろうか。日本で最初の貨幣、和同開珎の形は…丸い。これには何か理由があるのだろうか。

その辺の時代において貨幣が丸である必要性は無いように思える。とすると、円形の方が発行しやすかった、円形が偽造されにくい形であった、壊れにくい、とかそんな所だろうか。若しくは私が気付いてないだけで、やはり昔の時代においても円形の方が好都合なのかもしれない。

 

なんにせよ先人たちは円形を選んだ。だからこそ我々は今こうしてコインを転がす機械を便利に活用している。これがもし…例えば正方形だったら。そしてコイン=正方形という価値観が今の今まで誰にも疑われることなく続いてきたとしたら。我々は自販機やジャグラーを作るよりも前に、そもそも正方形の金属片を効率よく運搬する仕組みを確立しなければならなかったのだ。

我々が普段当たり前のように利用している丸いコイン。その形状が大昔から変わっておらず、そして今日においてその形状ゆえの利便性が遺憾無く発揮されているのだと考えると、とてつもない伏線回収だと言える…かもしれない。

~完~